【監修者:Y.Y(美容師国家資格所有)】

「カラーやパーマを繰り返して髪がギシギシ…」「毛先がパサパサでまとまらない…」そんな深刻なダメージヘアにお悩みではありませんか?

毎日のヘアケアでトリートメントを使っていても、なかなか効果を実感できないと感じている方も多いかもしれません。しかし、それはトリートメントの選び方や使い方に原因があるのかもしれません。

この記事では、美容師国家資格を持つ私が、ダメージヘアを修復するためのトリートメントの選び方、効果的な成分、そして髪のプロが推薦するおすすめアイテムまで、徹底的に解説します。正しい知識と効果的なアイテムで、諦めていたダメージヘアを、思わず触れたくなるような「うるツヤ髪」へと導きましょう。

この記事でわかる事

あなたの髪はなぜ傷む?ダメージヘアの主な原因

ダメージヘア修復トリートメント おすすめ成分と使い方をプロが解説
ダメージヘア修復トリートメント おすすめ成分と使い方をプロが解説

美しい髪を取り戻すためには、まず髪が傷んでしまう原因を知ることが大切です。主な原因を理解し、日々の生活習慣を見直してみましょう。

ヘアカラーやパーマによる化学的ダメージ

ヘアカラーやパーマの薬剤は、髪の内部構造に作用するため、キューティクルを開き、内部のタンパク質や水分を流出させてしまいます。これが、パサつきや枝毛、切れ毛といったダメージの大きな原因です。

ヘアアイロンやドライヤーの熱ダメージ

毎日のスタイリングに欠かせないヘアアイロンやドライヤーですが、高温の熱は髪のタンパク質を硬化させ、髪を乾燥させてしまいます。特に、濡れた髪に高温のアイロンを使うのは、髪に深刻なダメージを与えるため絶対に避けましょう。

紫外線や乾燥による環境ダメージ

肌と同様に、髪や頭皮も紫外線によってダメージを受けます。紫外線はキューティクルを傷つけ、髪の内部のメラニン色素を分解してしまうため、髪の褪色や乾燥を引き起こします。また、空気の乾燥も髪の水分を奪い、パサつきの原因となります。

間違ったヘアケアによる物理的ダメージ

濡れた髪をゴシゴシとタオルで拭いたり、無理なブラッシングで絡まりをほどいたりする行為は、キューティクルを剥がし、髪を傷つける原因になります。日々の何気ない習慣が、ダメージを進行させている可能性があるのです。

ダメージ修復トリートメント選びで失敗しない3つのポイント

ダメージヘア修復トリートメント おすすめ成分と使い方をプロが解説
ダメージヘア修復トリートメント おすすめ成分と使い方をプロが解説

市場には数多くのトリートメントがありますが、ダメージヘアを本気で修復したいなら、以下の3つのポイントを押さえて選びましょう。

Point 1: 髪の内部を補修する「ケラチン」や「PPT」配合のものを選ぶ

ダメージヘアは、髪の主成分であるタンパク質(ケラチン)が失われている状態です。そのため、髪の内部に浸透し、失われたタンパク質を補給してくれる「加水分解ケラチン」や「PPT(ポリペプチド)」といった成分が配合されているものを選びましょう。髪にハリやコシを与え、内側から強い髪へと導きます。

Point 2: 保湿力とコーティング力に優れた「オイルタイプ」を選ぶ

洗い流さないトリートメントにはミルクやミストなど様々なタイプがありますが、深刻なダメージヘアには、保湿力と髪の表面をコーティングする能力に優れた「オイルタイプ」が特におすすめです。髪の水分蒸発を防ぎ、ドライヤーの熱や紫外線などの外部刺激から髪を守ってくれます。

Point 3: 信頼と実績のある「サロン専売品」を試してみる

サロン専売品は、美容師がお客様の髪の悩みに応えるために開発された、高品質な製品が多くあります。市販品に比べて高価な場合もありますが、その分、有効成分の濃度が高かったり、最新の毛髪科学に基づいた処方が採用されていたりするなど、高い効果が期待できます。どのトリートメントを選べば良いか分からない方は、一度サロン専売品を試してみる価値は十分にあります。

【成分解説】ダメージヘア修復に効果的な有効成分一覧

トリートメント選びの際に、成分表示をチェックする習慣をつけましょう。ここでは、特にダメージヘアの修復に効果が期待できる代表的な成分をご紹介します。

成分名期待できる効果
加水分解ケラチン羊毛などから抽出したタンパク質。髪の内部に浸透し、ダメージホールを埋めてハリ・コシを与える。
ヘマチン髪のケラチンと結合し、ダメージを補修。また、ヘアカラーやパーマの残留アルカリを除去し、ダメージの進行を防ぐ効果も期待できる。
セラミド髪の細胞間脂質(CMC)の主成分。水分を抱え込み、キューティクル同士を接着することで、髪のうるおいを保ち、外部刺激から守る。
アルガンオイル(アルガニアスピノサ核油)ビタミンEやオレイン酸が豊富。高い保湿力と抗酸化作用で髪にうるおいとツヤを与え、しなやかな状態に導く。
CMC(細胞膜複合体)キューティクルやコルテックス細胞の間にある脂質層。水分や油分の通り道となり、髪のしなやかさやまとまりを保つ重要な成分。

ここからは、数あるサロン専売品の中から、特にダメージヘア修復におすすめで、多くの美容師から支持されている人気のヘアオイルを3つ厳選してご紹介します。

ケラスターゼ CH ユイル クロノロジスト R

ダメージヘア修復トリートメント おすすめ成分と使い方をプロが解説

【こんな人におすすめ】

  • 髪にハリ・コシ・ツヤを与えたい方
  • エイジングケアに関心がある方
  • 上品でラグジュアリーな香りが好きな方

ケラスターゼの最高峰ライン「クロノロジスト」の洗い流さないヘアトリートメントです。貴重なアビシンやビタミンEなどを配合し、髪にうるおいとツヤを与え、なめらかでまとまりのある質感に導きます。オイルですが比較的軽いテクスチャーで、細い髪の方でも重くならずに使えるのが特徴。著名な調香師が手掛けた、まるで香水のようなフローラル系の香りも人気の理由です。

特徴ケラスターゼ最高峰のテクノロジーを凝縮したヘアオイル
価格帯約6,270円前後(75ml)
メリット髪に自然なツヤとまとまりが出る
ベタつかず軽い仕上がり
高級感のある香りが持続する
デメリット価格が比較的高め

ミルボン ディーセス エルジューダ エマルジョン+

ダメージヘア修復トリートメント おすすめ成分と使い方をプロが解説

【こんな人におすすめ】

  • 髪が硬く、ごわつきやすい方
  • 髪を柔らかく、しなやかにしたい方
  • 甘い香りが好きな方

こちらはオイルではなくミルクタイプですが、オイルに匹敵する補修力と保湿力で人気が高いためご紹介します。毛髪補修成分「CMADK」が髪の内部まで浸透し、ダメージを修復。アクアコラーゲンが水分量を高め、硬い髪を柔らかく、動かしやすい状態へと導きます。普通毛〜太毛の方に特におすすめです。甘いフローラル系の香りで、多くの女性から支持されています。

特徴硬い髪を柔らかく扱いやすくするミルクタイプ
価格帯約2,250円前後(120g)
メリット髪が柔らかくなるのを実感しやすい
コストパフォーマンスが高い
女性らしい甘い香り
デメリット細い髪の方が使うと少し重く感じる可能性がある

モロッカンオイル トリートメント

ダメージヘア修復トリートメント おすすめ成分と使い方をプロが解説

【こんな人におすすめ】

  • 髪の広がりやパサつきを抑えたい方
  • しっとりとしたまとまりが欲しい方
  • エキゾチックなバニラの香りが好きな方

アルガンオイルを豊富に配合した、ヘアオイルの火付け役ともいえる有名な製品です。高い保湿力で髪の乾燥を防ぎ、広がりやすい髪をしっとりとまとまりのある状態に整えます。ベタつかず、サラサラとした指通りになる仕上がりが特徴で、世界中のセレブや美容師に愛用されています。エキゾチックで甘いバニラムスクの香りは、一度使うとやみつきになるという声も多いです。

特徴アルガンオイル配合でしっとりまとまる髪へ導く
価格帯約5,500円前後(100ml)
メリット髪がしっとりまとまる
ツヤが出てサラサラの指通りになる
特徴的で人気の高い香り
デメリット香りの好みが分かれることがある

トリートメント効果を最大化する!正しい使い方とコツ

せっかく良いトリートメントを使うなら、その効果を最大限に引き出したいですよね。ここでは、洗い流さないトリートメントの正しい使い方をご紹介します。

ステップ1:タオルドライで水気をしっかり取る

シャンプー後、髪を優しく叩くようにして、タオルでしっかりと水気を取ります。髪に水分が残りすぎていると、トリートメントが薄まって効果が半減してしまいます。根元から毛先まで、まんべんなく水気を取りましょう。

ステップ2:毛先を中心にトリートメントをなじませる

適量のトリートメントを手のひらに伸ばし、最もダメージが気になる毛先からつけていきます。その後、中間、表面へと順になじませていきましょう。根元につけすぎるとベタつきの原因になるので注意してください。

ステップ3:コーミングで髪全体に均一に行き渡らせる

目の粗いコーム(櫛)を使って、髪の根元から毛先に向かって優しくとかします。これにより、トリートメントが髪一本一本に均一に行き渡り、ムラなく効果を発揮できます。

ステップ4:ドライヤーで乾かす

最後に、ドライヤーで髪を乾かします。まずは根元から乾かし始め、全体が乾いてきたら、上から下に向かって風を当てるようにすると、キューティクルが整い、ツヤが出やすくなります。

ダメージヘア修復に関するよくある質問(FAQ)

Q1. トリートメントとコンディショナーの違いは何ですか?

A1. 一般的に、コンディショナー(またはリンス)は髪の表面をコーティングして指通りを良くするのが主な役割です。一方、トリートメントは髪の内部に補修成分や栄養を浸透させ、ダメージを内側からケアする役割があります。深刻なダメージヘアには、コンディショナーに加えて、トリートメントの併用がおすすめです。

Q2. 洗い流さないトリートメントはいつ使うのが効果的ですか?

A2. 最も効果的なのは、お風呂上がりのタオルドライ後の濡れた髪に使うことです。髪が濡れている時はキューティクルが開いているため、補修成分が内部に浸透しやすくなります。また、ドライヤーの熱から髪を守る効果もあります。

Q3. 一度傷んだ髪は完全に元に戻りますか?

A3. 残念ながら、髪の毛は自己修復能力がないため、一度受けた深刻なダメージが完全に元に戻ることはありません。しかし、適切なトリートメントで内部を補修し、表面をコーティングすることで、手触りや見た目を健康な状態に近づけ、今後のダメージの進行を防ぐことは十分に可能です。

まとめ:正しいケアで、ダメージに負けない「うるツヤ髪」へ

今回は、ダメージヘアを修復するためのトリートメント選びのポイントや、おすすめの成分、そしてプロが推薦するサロン専売品まで詳しく解説しました。

髪のダメージは一朝一夕には改善しませんが、日々の正しいケアの積み重ねが、未来の美しい髪を作ります。この記事を参考に、あなたの髪質やダメージレベルに合った最適なトリートメントを見つけ、効果的な使い方を実践してみてください。

諦めかけていたダメージヘアも、きっと見違えるような「うるツヤ髪」へと変わっていくはずです。