【監修者:Y.Y(美容師国家資格所有)】
「頭皮がかゆくて、つい掻いてしまう」「フケのようなものが肩に落ちて気になる」「頭皮がつっぱる感じがする」——。そんな頭皮の乾燥によるトラブルに悩んでいませんか?
健やかな髪は、うるおいに満ちた健康な頭皮から育ちます。頭皮の乾燥を放置すると、かゆみやフケだけでなく、抜け毛や細毛、髪のパサつきといった、さらなる髪の悩みを引き起こす可能性があります。
しかし、ご安心ください。毎日のシャンプー選びと、正しい頭皮ケアを実践することで、頭皮環境は改善できます。この記事では、美容師国家資格を持つ私が、頭皮乾燥を改善するためのシャンプーの選び方から、今日からできる簡単な頭皮マッサージの方法、そして仕上げにおすすめの保湿アイテムまで、専門的な視点からわかりやすく解説します。
この記事でわかる事
あなたの頭皮はなぜ乾燥する?主な原因をチェック

効果的なケアを行うためには、まず自分の頭皮がなぜ乾燥しているのか、その原因を知ることが大切です。当てはまるものがないか、チェックしてみましょう。
洗浄力の強いシャンプーの使用
市販のシャンプーの中には、洗浄力が非常に強い「高級アルコール系」の洗浄成分を主成分とするものがあります。これらのシャンプーは、汚れだけでなく、頭皮に必要な皮脂まで洗い流してしまい、頭皮のバリア機能の低下と乾燥を招く最大の原因となります。
間違った洗髪・ドライヤー習慣
熱すぎるお湯でのシャワーは、頭皮のうるおいを奪います。また、シャンプーのすすぎ残しは頭皮への刺激となり、乾燥やかゆみを引き起こします。さらに、シャンプー後に髪を乾かさずに自然乾燥させることも、頭皮の雑菌の繁殖や乾燥の原因になるためNGです。
空気の乾燥や紫外線
冬の乾燥した空気や、夏場のエアコンの効いた室内は、肌だけでなく頭皮の水分も奪います。また、頭皮は顔の2倍以上の紫外線を浴びていると言われ、紫外線ダメージも乾燥の大きな原因の一つです。
生活習慣の乱れ
睡眠不足やストレス、食生活の乱れは、血行不良やターンオーバーの乱れを引き起こします。頭皮のターンオーバーが正常に行われないと、バリア機能が低下し、乾燥しやすく刺激に弱い状態になってしまいます。
頭皮乾燥を改善!シャンプー選びで失敗しない3つのポイント

頭皮の乾燥を改善する上で、最も重要なのが毎日のシャンプー選びです。以下の3つのポイントをしっかり押さえて、あなたの頭皮をいたわるシャンプーを見つけましょう。
Point 1: 「アミノ酸系」の優しい洗浄成分を選ぶ
洗浄成分はシャンプーの心臓部です。頭皮の乾燥が気になる方は、必要なうるおいは残しつつ、マイルドに洗い上げる「アミノ酸系」の洗浄成分が配合されたシャンプーを選びましょう。 成分表示に「ココイルグルタミン酸」「ラウロイルメチルアラニン」などの記載があるものが目印です。
Point 2: 「保湿成分」がしっかり配合されているかチェック
顔のスキンケアと同じように、頭皮にも保湿が不可欠です。 以下のよう髪だけでなく頭皮にもうるおいを与えてくれる保湿成分が配合されているか確認しましょう。
- セラミド
- ヒアルロン酸
- コラーゲン
- グリセリン
Point 3: フケ・かゆみがある場合は「抗炎症成分」配合の薬用シャンプーも視野に
乾燥によるかゆみや炎症がすでに起きている場合は、それらの症状を抑える有効成分が配合された薬用(医薬部外品)シャンプーもおすすめです。「グリチルリチン酸2K」などの抗炎症成分が、頭皮の炎症を鎮め、健やかな状態に整えてくれます。
プロが教える!血行を促進し、うるおい頭皮へ導くマッサージ法

シャンプーと合わせてぜひ取り入れたいのが、頭皮マッサージです。血行を促進することで、頭皮に栄養が行き渡りやすくなり、乾燥改善だけでなく、抜け毛予防やリフトアップ効果も期待できます。 シャンプーの泡がついた状態で行うと、指の滑りが良くなり、頭皮への摩擦を減らせるのでおすすめです。
【基本の3ステップ】簡単セルフ頭皮マッサージ
ポイント:爪を立てず、指の腹を使い、「気持ちいい」と感じる強さで行いましょう。 頭皮をこするのではなく、指を頭皮に密着させ、頭蓋骨から頭皮を動かすイメージです。
- 側頭部をほぐす(1分)
両手の指の腹を左右の耳の上に置き、円を描くようにゆっくりと後ろに向かって揉みほぐします。少しずつ指の位置を頭頂部にずらしながら、側頭部全体をマッサージします。 - 前頭部〜頭頂部をほぐす(1分)
両手の指の腹を生え際に置き、頭皮を中央に寄せるようなイメージで圧をかけながら、頭頂部に向かってゆっくりと引き上げます。 - 後頭部をほぐす(1分)
両手の親指を襟足のくぼみに固定し、残りの4本の指で後頭部全体を掴むように持ちます。親指でツボを心地よく刺激しながら、4本の指で頭皮を揉みほぐします。
仕上げの保湿に!プロ推薦のサロン専売品ヘアオイル3選
シャンプー後の保湿ケアとして、洗い流さないトリートメント(ヘアオイル)は非常に有効です。ドライヤーの熱から髪を守るだけでなく、頭皮の乾燥を防ぐ効果も期待できます。ここでは、保湿力に定評があり、多くの美容師から支持されるサロン専売品のヘアオイルを厳選してご紹介します。
モロッカンオイル トリートメント
【こんな人におすすめ】
- 髪のパサつきや広がりが特に気になる方
- しっとりとした、まとまりのある仕上がりが好きな方
- エキゾチックで甘いバニラの香りが好きな方
世界中のプロに愛されるヘアオイルの代名詞的存在。 保湿効果の高いアルガンオイルを豊富に配合し、乾燥した髪と頭皮に深い潤いを与えます。 ベタつかないのに、しっとりとまとまる仕上がりは、乾燥で広がりやすい髪質の方に特におすすめです。甘くエキゾチックな香りも人気の理由です。
| 特徴 | 高い保湿力で髪をしっとりまとめる定番オイル |
| 価格帯 | 約5,500円前後(100ml) |
| メリット | 保湿力が高く、広がりがしっかり収まる ツヤが出て指通りがなめらかになる 特徴的で人気の高い香り |
| デメリット | 香りの好みが分かれることがある |
ケラスターゼ CH ユイル クロノロジスト R
【こんな人におすすめ】
- 髪にハリ・コシと自然なツヤが欲しい方
- エイジングケアも意識したい方
- 重い仕上がりが苦手で、サラッと軽い質感が好きな方
ケラスターゼの最高峰ライン「クロノロジスト」のヘアオイル。髪にうるおいとツヤを与え、健康的でなめらかな質感に導きます。 オイルでありながら非常に軽いテクスチャーで、髪が細い方やボリュームダウンしたくない方にもおすすめです。 まるで香水のような上品で華やかな香りが長時間続きます。
| 特徴 | 髪にハリ・コシと上品なツヤを与えるフレグランスオイル |
| 価格帯 | 約6,270円前後(75ml) |
| メリット | ベタつかず軽い仕上がり 髪が根元からふんわりする 高級感のある香りが長時間持続 |
| デメリット | 価格が比較的高価 |
ミルボン エルジューダ MO
【こんな人におすすめ】
- 髪が硬く、ごわつきやすい方
- 柔らかく、しなやかな手触りを求める方
- コストパフォーマンスを重視する方
多くのサロンで導入されているミルボンの人気シリーズ「エルジューダ」のオイルタイプ。柔軟成分であるバオバブオイルを配合し、硬くごわつきやすい髪を、柔らかくしなやかな状態に整えます。 しっとりとしたまとまり感がありながら、重すぎない絶妙な質感が人気の理由です。
| 特徴 | 硬い髪を柔らかく扱いやすくするデザインベースオイル |
| 価格帯 | 約2,160円前後(120ml) |
| メリット | 髪が柔らかくなるのを実感しやすい コストパフォーマンスが高い しっとりまとまるのに重すぎない |
| デメリット | つけすぎるとベタつくことがある |
頭皮の乾燥に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 頭皮が乾燥しているとき、シャンプーは毎日しない方がいいですか?
A1. いいえ、シャンプーは毎日することをおすすめします。1日経つと頭皮には皮脂や汗、ホコリが付着し、放置すると雑菌が繁殖して逆にかゆみや炎症の原因になります。大切なのは、洗浄力がマイルドで保湿成分の入ったシャンプーを選び、優しく洗うことです。
Q2. 頭皮用の保湿ローションやオイルは使った方がいいですか?
A2. はい、特におすすめです。お風呂上がりに化粧水や乳液を顔につけるのと同じように、頭皮にも専用の保湿剤を使うことで、乾燥を効果的に防ぐことができます。お風呂上がりの清潔な頭皮に、ローションやオイルをなじませて優しくマッサージしましょう。
Q3. 食生活で気をつけることはありますか?
A3. バランスの取れた食生活は、健康な頭皮環境の基本です。特に、皮膚の材料となる「タンパク質」、ターンオーバーを助ける「ビタミンB群」、血行を促進する「ビタミンE」などを意識的に摂取するように心がけましょう。ジャンクフードや脂っこい食事の摂りすぎは、皮脂バランスを崩す原因になるので注意が必要です。
まとめ:毎日のケアで、うるおいのある健やかな頭皮を目指そう
頭皮の乾燥は、かゆみやフケといった不快な症状だけでなく、美しい髪の成長を妨げるサインでもあります。しかし、日々の少しの心がけで、その悩みは改善へと向かいます。
今回ご紹介した、
- 自分の頭皮に合った、保湿力の高いシャンプーを選ぶこと
- 血行を促進する頭皮マッサージを習慣にすること
この2つを実践するだけでも、あなたの頭皮環境は大きく変わるはずです。まずは今日からできることから始めて、乾燥に悩まない、健やかでうるおいに満ちた頭皮を手に入れましょう。
それでも症状が改善しない場合や、炎症がひどい場合は、皮膚科などの専門医に相談することをおすすめします。