【監修者:Y.Y(美容師国家資格所有)】
冬、セーターやマフラーを身につけるたびに「バチッ!」と音を立てて広がる髪。スカートに髪がまとわりついたり、ブラシを通すたびに顔に張り付いたり…。冬の静電気は、ただ不快なだけでなく、髪の乾燥やダメージのサインでもあります。この厄介な静電気、実は日々のヘアケアを少し見直すだけで、劇的に改善することができるのです。
この記事では、美容師国家資格を持つ私が、冬に髪の静電気が起こる根本的な原因から、今日からすぐに実践できる対策、そして静電気を抑えるためにプロが愛用するおすすめのサロン専売品ヘアオイル&ブラシの選び方まで、徹底的に解説します。正しい知識とアイテムで、冬の静電気ストレスから解放され、一日中まとまるうるおい髪を手に入れましょう。
この記事でわかる事
「バチッ!」となるのはなぜ?冬の髪の静電気、2つの主な原因

冬になると特に静電気が起こりやすくなるのには、明確な理由があります。そのメカニズムを知ることで、対策がぐっと立てやすくなります。
原因1:乾燥(髪と空気の水分不足)
静電気が発生する最大の原因は「乾燥」です。冬は空気が乾燥し、室内の暖房によって湿度はさらに低下します。髪は本来、適度な水分を含んでおり、その水分を通じて電気を自然に放出(放電)しています。しかし、髪自体が乾燥していると電気の逃げ道がなくなり、静電気として髪に溜め込まれてしまうのです。
【内部リンク:「髪 パサつき 原因」に関する詳細記事はこちら】
原因2:摩擦(衣類や間違ったブラッシング)
もう一つの大きな原因は「摩擦」です。特に冬は、ウールやアクリルなどの化学繊維でできたセーターやマフラーを着る機会が増えます。これらの素材と髪がこすれることで、静電気が非常に発生しやすくなります。また、プラスチック製のブラシを使ったブラッシングも、摩擦による静電気の大きな原因の一つです。
静電気対策の鍵は「保湿」と「道具選び」

静電気の原因である「乾燥」と「摩擦」を防ぐためには、日々のケアで使うアイテム選びが非常に重要になります。ここでは、特に効果的な「ヘアオイル」と「ブラシ」の選び方について解説します。
ヘアオイルが静電気に効く理由
ヘアオイルは、冬の静電気対策に最も効果的なアイテムの一つです。その理由は2つあります。
- 高い保湿力:オイルが髪の表面をコーティングし、内部の水分が蒸発するのを防ぎます。これにより、髪が電気を放出しやすい状態(潤った状態)をキープできます。
- 摩擦の軽減:髪の表面が滑らかになることで、ブラッシングや衣類との摩擦が軽減され、静電気の発生そのものを抑えることができます。
冬の間は、いつもより少しだけしっとりするタイプの保湿力が高いヘアオイルを選ぶのがおすすめです。
静電気を抑えるブラシの選び方
毎日使うブラシを見直すことも、静電気対策には欠かせません。避けるべきは、安価なプラスチック製のブラシです。代わりに、以下のような天然素材のブラシを選びましょう。
- 豚毛・猪毛などの天然毛ブラシ:髪の油分を全体に行き渡らせ、キューティクルを整えてくれる効果があります。髪に自然なツヤを与えながら、静電気を抑えてくれます。
- 木製のブラシ:プラスチックと比べて静電気を発生させにくい素材です。ピンの部分も木でできているものが特におすすめです。
ブラシを変えるだけで、ブラッシング時の「バチッ!」が驚くほど減ることを実感できるはずです。
【美容師資格者が厳選】静電気を抑えるサロン専売品おすすめヘアオイル3選
ここでは、保湿力が高く、冬の静電気対策に最適なサロン専売品のヘアオイルを3つ厳選してご紹介します。どれも多くのプロが信頼を寄せる、実力派のアイテムです。
モロッカンオイル トリートメント
【こんな人におすすめ】
- 髪のパサつきや広がりをしっかり抑えたい方
- ベタつかず、サラサラでツヤのある仕上がりが好きな方
- 甘くエキゾチックな香りが好きな方
世界中のセレブや美容師に愛用され、ヘアオイルブームを巻き起こした「モロッカンオイル」。保湿効果の高いアルガンオイルが髪にうるおいを与え、乾燥や静電気から髪を守ります。少量でしっかりとまとまり、ベタつかずにサラッとした指通りになるのが魅力。冬の乾燥でゴワつきがちな髪も、しなやかで扱いやすい状態に整えてくれます。
| 特徴 | 保湿・補修効果の高いアルガンオイルを配合した、ヘアオイルの代名詞的存在 |
| 価格帯 | 約5,500円前後(100ml) |
| メリット | 保湿力とまとまり感が非常に高い ベタつかずサラサラな仕上がり 特徴的な甘い香りが長時間持続する |
| デメリット | 人気商品のため偽物も出回っており、正規取扱店での購入が必要 |
ケラスターゼ NU ソワン オレオ リラックス
【こんな人におすすめ】
- くせ毛で髪がまとまりにくく、扱いにくい方
- 湿気だけでなく、乾燥による広がりも気になる方
- サラサラで指通りの良い仕上がりを求める方
くせ毛や扱いにくい髪のためのオイルとして、長年絶大な人気を誇るケラスターゼのベストセラー。髪の表面を薄いヴェールでコーティングし、乾燥や湿気など外部の環境から髪を保護します。静電気による広がりやアホ毛をピタッと抑え、一日中まとまりのあるサラサラな髪をキープ。重くなりすぎない使用感で、細い髪の方にもおすすめです。
【内部リンク:「40代 おすすめ ヘアオイル」に関する詳細記事はこちら】
| 特徴 | くせ毛を抑え、湿度80%でも24時間まとまりが続くヘアオイル |
| 価格帯 | 約5,940円前後 |
| メリット | 静電気や湿気による広がりを抑える効果が高い サラサラな仕上がりでベタつかない 上品な香りが続く |
| デメリット | シリコンが多く配合されているため、ノンシリコンにこだわる方には不向き |
ミルボン ディーセス エルジューダ MO
【こんな人におすすめ】
- 髪が硬く、ゴワつきやすい方
- しなやかで柔らかい手触りの髪になりたい方
- コストパフォーマンスを重視する方
多くの美容室で導入されている「エルジューダ」シリーズの中でも、特に硬い髪を柔らかく、しなやかにしてくれるタイプのオイルです。保湿成分のバオバブオイルが髪の内部まで浸透し、乾燥で硬くなった髪をうるおいで満たします。髪が柔らかくなることで摩擦が起きにくくなり、結果として静電気の防止につながります。オイル初心者でも使いやすい、バランスの取れた一本です。
| 特徴 | バオバブオイル配合で、硬い髪を柔らかく動かしやすい状態へ導く |
| 価格帯 | 約2,160円前後 |
| メリット | コストパフォーマンスが良い 髪が柔らかくなるのを実感しやすい ベタつきにくく重すぎない |
| デメリット | ダメージ補修力は他の高価格帯オイルに比べるとマイルド |
今日からできる!静電気を最大限に防ぐヘアケア術

良いアイテムを選んだら、次は正しい使い方をマスターしましょう。静電気を抑えるための日々のケアのポイントをご紹介します。
基本のヘアケア
- 保湿力の高いシャンプー・トリートメントを使う:洗浄力が強すぎるシャンプーは避け、アミノ酸系など保湿成分が配合されたものを選びましょう。
- お風呂上がりはすぐに乾かす:濡れたまま放置すると髪の水分がどんどん奪われます。乾かす前に必ずヘアオイルをつけ、熱から髪を守りましょう。
- ドライヤーで乾かしすぎない:オーバードライは乾燥と静電気の元。8割ほど乾いたら、冷風に切り替えてキューティクルを引き締めると、ツヤが出てまとまりも良くなります。
外出先での応急処置
日中、静電気が気になった時のために、ヘアオイルを少量持ち歩くか、ハンドクリームで代用するのがおすすめです。米粒大の量を手のひらに薄く伸ばし、広がっている髪の表面を優しくなでるように抑えるだけで、驚くほど静電気が収まります。つけすぎには注意してください。
冬の髪の静電気に関するよくある質問(FAQ)
Q1. ヘアオイル以外に静電気を防ぐ方法はありますか?
A1. はい、いくつかあります。室内に加湿器を置いて湿度を40%〜60%に保つこと、洗い流さないトリートメントのミストタイプを日中使うこと、そして静電気防止効果のあるスタイリングスプレーを仕上げに軽く振るのも効果的です。
Q2. ブラシはどんな素材のものを選べば良いですか?
A2. 静電気対策には、豚毛や猪毛といった天然毛のブラシや、木製のブラシが最適です。これらの素材は静電気を発生させにくい性質があります。逆に、最も避けるべきは安価なプラスチック製のコームやブラシです。
Q3. 静電気がひどいのですが、これは髪が傷んでいるサインですか?
A3. その可能性は非常に高いです。ダメージを受けてキューティクルが剥がれている髪は、水分を保持する力が弱く、非常に乾燥しやすい状態です。そのため、健康な髪に比べて静電気が格段に発生しやすくなります。静電気が気になる方は、まず保湿とダメージケアを重点的に行うことをおすすめします。
まとめ:正しいケアで、冬の静電気ストレスから解放されよう
今回は、冬の厄介な静電気の原因から、具体的な対策、おすすめのヘアオイルまで詳しく解説しました。
静電気の主な原因は「乾燥」と「摩擦」です。この2つを、日々のヘアケアでいかに防ぐかが鍵となります。今回ご紹介したヘアオイルやブラシの選び方を参考に、あなたの髪質やライフスタイルに合ったアイテムを取り入れてみてください。
正しい知識とアイテムでしっかりケアすれば、冬でも静電気知らずの、しっとりまとまる美しい髪をキープできます。もう「バチッ!」に悩まされることのない、快適な冬を過ごしましょう。